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演劇:第三舞台「深呼吸する惑星」(紀伊国屋ホール)

 ◇時代を駆けてSFで解散
 10年ぶりに封印を解除しての舞台は、劇団の解散公演となった。

 第三舞台は1981年に旗揚げ。作・演出の鴻上尚史によるスピード感あふれるセリフ回しと場面転換、笑いをちりばめながら若者の時代への違和感を捉えて、80年代に小劇場ブームを巻き起こした。旗揚げの「朝日のような夕日をつれて」以降の連作、チェルノブイリ原発事故を踏まえた「天使は瞳を閉じて」など、忘れ難い。

 鴻上作・演出の本作は、本格的なSFである。ただし、鴻上らしく、今の現実に、切り込んでいる。

 亡くなった若者がブログに書き残した小説「深呼吸する惑星」が、劇中劇で展開する。惑星アルテア65で、アルテア人の首相マギエル(小須田康人)らと、地球連邦軍の仲井戸大尉(大高洋夫)らとの間には対立がある。兵士の墓地を管理する神崎(筧利夫)はアルテア独立を訴える「キリアス」としても活動し、結婚詐欺師のハザ(筒井真理子)と複雑な関係がある。地球連邦軍から桜木(長野里美)が、自殺率の異常な高さ調査のため訪れた。軍属でアルテア人の西田(山下裕子)は、仲井戸に恋していた。

 激しいダンスに音楽、それに着ぐるみ、第三舞台の楽しさがよみがえってくる。劇団が疾駆した、あの80年代に思いは至る。チェルノブイリの衝撃に学ばず、四半世紀後、日本は「フクシマ」の悲劇を招く。「深呼吸できる地球」であってほしい。18日まで。(高橋豊)

— 毎日新聞 2011年12月14日 東京夕刊